院内が片づかないのは、スタッフの気遣いが原因?!

スタッフ育成, 環境整備

開院年数と物の多さは比例する


代替わりをした院でのお話です。開院から30年以上となると、院内に使われていない物が溢れるのは想像に難くありません。カルテ、書類、書籍、模型、古くなった器具、機器。多くの場合、経過年数と物の量は比例します。物が捨てられず、滞留するのは、日本人特有の【もったいない】という尊い精神性も大きく影響しているでしょう。しかし、院長先生は、引き継いだ時点で、真っ先に物の多さをなんとかしなければと思ったそうです。

 

本当にもったいないとはどういうことでしょう?


限られた経営資源(人・物・お金)のなかには、院内のスペースも含まれます。物が増えれば、管理がしにくくなり、不要な在庫が増えます。ムダな在庫は目に見えるムダですが、実はここには、スペースコストというムダも隠れています。さらには、働く人の動線が悪くなり、物を探す時間も増えます。人件費のムダです。さらに、さらに、もっとも見えにくいムダが隠れているのを知っていますか?それは、気分というリソースです。物がなくてイライラする。探して見つからないとイライラする。診療中ならなおさら。ドクターもスタッフも双方、嫌な気分になった経験はありませんか?これこそ本当にもったいない。そんなもったいない、の例が冒頭の代替わりをした院でのできごとです。

 

それ、処分して良かったんですね。


代替わりをして、院長先生がはじめにしたことは、院内の環境整備でした。休みの日にひとりでコツコツと物の整理。今は使われていない物の処分や清掃まで。目に見える環境変化と院長先生の行動は、スタッフさんに好意的に受け入れられ、とても喜ばれたそうです。技工室で処分する物をまとめていたある日、「それ処分 してよかったんですね?狭くて困っていましたが、先生(先代)が大事にされていると思ってしまっておいたんです。」長年勤めてくれるスタッフさんは察する気遣いも抜群です。あうんの呼吸でうまくまわるのは、院長先生にとってはとても心強いですよね。しかし、ほんの少しのルール不足、コミュニケーショ ン不足により、長い間、使いにくさを我慢するということが起こっていました。

 

スタッフさんは勝手に判断できないという気遣いをしています。


スタッフさんは不要な物と認識しながら、言えずにいます。院長先生は日常診療のエリアが限られているので、不要も何も、そこにそれがあることも知らないケースがほとんど。要不要を聞かれたときに、即時に判断できない状況だと「とりあえず、とっておいて。」と指示を出せば、それは、ずっと院内に残ることになります。スタッフさんは院長先生の指示を忠実に守ろうとするからです。

 

決定権があるから経営者です。


そんなの判断して捨てておいてくれればよかったのに。そう思う物もあると思います。しかし院の中の物は院の資です。勝手に捨てないというのは従業員としては正解。どんな小さな物でも院長先生の判断が必要です。かといって、日常いちいち聞かれるのも負担です。 職場環境整備のルールを導入することは、院のなかの物を整え、循環させる目的だけでなく、さまざまなもったいないを解消することです。スタッフさんの気遣いは、もっともっと素敵なシーンで発揮してもらいましょう。

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